ONEDOG:壁打翻訳手習帳

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ボーリングのボールを通じてエボラ熱に感染する可能性

 質問:ボーリングのボールを通じてエボラ熱に感染することはあるでしょうか?

 

回答:ベルビュー・ホスピタル・センターに現在隔離されているエボラ熱患者、クレイグ・スペンサー医師は水曜日の夜にブルックリンのウィリアムバーグ近郊でボーリングに行っています。市の保健所職員によれば、同医師は10月14日にギニアを出てから一日に2回体温を測定してきました。水曜日の夜には彼の体温は正常であり、吐き気や下痢のような他の症状はまだ何もなかったそうです。エボラ熱の専門家は、症状が現れるまではエボラ熱が他人に感染することはないと説明しています。

 共用ボーリングボールの表面に病原菌が見つかるかもしれない、という理由でボーリングを避ける人もいますが、こうした経路でエボラ熱に感染することはまず考えられません。風邪や流行感冒ではあることですが、誰かがくしゃみをした手で触ったものに触れたことでエボラ熱に感染したという実例はありません。通常、エボラ熱は、血液、嘔吐物、排泄物との接触を通じて感染します。

 仮にボーリングのボールに血液や嘔吐物や排泄物をつけて、次にそのボールに触る人がそれに気がつかず、ボールに触れた指で目や鼻や口に触れたとすれば、感染することもありえるかもしれません。しかし、エボラウィルスが唾液中や体液中に高濃度で含まれることは、最初の発熱から数日後の発症末期までは通常ありません。そうした発症末期の患者がボーリングをするために出かけるということは考えられません。また、エボラウィルスは乾燥に対して脆弱で抵抗力がありません。硬く乾燥した表面に置かれると、普通2時間以上は生存できません。

 

 国内感染者が出たことで、アメリカではエボラ熱に対する警戒が高まっているようです。福島第二原発もそうでしたが、パニック状態に陥らないためには、恐怖が高まりデマが流布するよりも早く、正確で適切な客観的情報と科学的知識を周知することが重要でしょう。日本国内ではまだ感染者は出ていませんが、医療体制の整備と共に、原発事故の教訓に学んだ対応が必要なのではないでしょうか。