ONEDOG:壁打翻訳手習帳

手習い故、至らぬところは御容赦。更新は、Twitterアカウント @0ned0g でお知らせします。

フェイスブックは友達よりもあなたのことを良く知っていることが証明される

フェイスブックの「いいね!」であなたのパーソナリティーの特徴の大半が明らかになる

自分のことを家族や友達以上に理解している人などいないだろう。自分が良い知らせや悪い知らせに対してどんな反応を示すか、デザートにパイとアイスクリームのどちらを選ぶか、家族や友達以外に予想できる人などいるだろうか。

 

それはフェイスブックだ。ケンブリッジ大とスタンフォード大の研究者は、フェイスブックの「いいね!」が、性格テストの回答結果や、近親者や友人に聞いた性格とどれだけ照応するのか、調査を行った。その結果、充分な数の「いいね!」がブランド、人、音楽、本などの対象について集計されれば、コンピューターは身近な人々の大半よりも個人のパーソナリティーを正確に予測することができた。ただ、例外は配偶者だった。自分の最大の理解者は、まだ配偶者のようだ。

 

ケンブリッジ大心理統計学センター博士課程学生のヨウヨウ(Wu Youyou)と同僚たちは、以前に、いかにコンピューター上のモデルで人口統計学的かつ心理学的に人々のパーソナリティーの特徴を予測するかという研究を行った。映画「her/世界でひとつの彼女」に触発され、彼らはこのモデルが人々のパーソナリティーの特徴をどう評価するかということに興味を持った。彼らはフェイスブック上の8万6220人に、パーソナリティーを調べるため100の質問への回答を依頼した。この質問は、いわゆるパーソナリティーの「ビッグ5」因子、開放性、統制性、外向性、協調性、神経症傾向について、回答者がどのような因子を持っているかを特定するものだった。それから、回答者のフェイスブックの「いいね!」を分析し、「いいね!」を因子と結びつけるモデルを作成した。例えば、瞑想、TEDトーク、サルバドール・ダリに「いいね!」ボタンを押した人は開放性について高いスコアを示し、リアリティーショーのスター”Snookie”、ダンス、パーティーが好きな人は外向性が高いといった具合だ。

 

フェイスブックのユーザーは平均で227の「いいね!」をしているが、これはコンピューターが平均的な人間(つまり、友人)よりも正しくパーソナリティーの特徴を予測するのに充分な情報であり、ほぼ配偶者並みの予測ができる。「いいね!」の数が多ければ、コンピューターの予測の精度はさらに高まる。コンピューターは、例えば、たった10の「いいね!」が分かれば職場の同僚よりも正確な予測ができ、70の「いいね!」で友人以上、150の「いいね!」で家族以上の予測ができる。

 

「我々は、人間が人のパーソナリティーの特徴を上手に予測することは知っていますが、それは我々の交わりのあらゆる面において重要なことだからです。」とヨウヨウは語る。「しかし、フェイスブックの「いいね!」という、たった1種類のデジタルデータを使うだけで、コンピューターの方が大半の友人よりも正確にパーソナリティーの特徴を言い当てることができるというのは、我々にとっても驚きでした」。

 

コンピューターがそれほど上手く予測できるのは、コンピューターは全ての「いいね!」を額面通りに受け取って同等に扱うことができるからではないか、とヨウヨウの共著者であるスタンフォード大コンピューターサイエンス学部のコシンスキー(Michal Kosinski)は言う。人々は気にかけていない情報は忘れがちだし、記憶に残りやすいことや最近の出来事を重視しがちだ。このことが我々の判断にバイアスを与えている可能性がある。しかし、コンピューターはそれぞれの情報を客観的に取り扱うことができる。

 

それでも、コンピューターのとる戦略が常に完全だというわけではない。コンピューターは人間の気分、習性や考え方を把握することができない。そして、人間があまりに様々な活動を行うことがコンピューターには問題となる。例をあげると、外向性の高い人は確かに人に会うことが好きだが、説明できないほどティファニーに「いいね!」ボタンを押す。また、統制性の高い人はマウンテンバイクと二輪車が好みだ。

 

しかし、コシンスキーは、こうしたコンピューター・モデルはキャリアプラニングや人材採用などの役に立つ可能性があると考えている。求職活動を行う人は、こうしたパーソナリティーの分析を行えば、自分に合った業界や仕事を見つける手助けにすることができる。例えば、旅行好きで、探索をおこないリスクを取ることが好きだというような自由な精神の持ち主は、会計士になっても幸せではないだろうし、内向的な人がマーケティングや広報に向いているとも思えない。

 

コシンスキーは、コンピューターで採用活動を効率化できるかもしれないともにらんでいる。多くの企業は、特に上級幹部の採用にあたっては、パーソナリティーに関する質問をおこなうが、候補者は企業側が望むような答をしようとするので、こうした質問を用いても不正確で信頼できないことがある。フェイスブックのデータが役に立つのなら、パーソナリティーについて質問をするよりもコンピューターを使う方が、もっと正確な人物像に近づくことができるかもしれない。

 

コシンスキーはこうしたモデルを利用することが微妙であることも認識している。「企業側が同意を明確に取らずにモデルを利用したテストを始めて、人々を混乱させたり、応募者と雇用側の信頼関係を損ねるようなことがないように、細心の注意を払い、間違いがないように行動しなければならない」と、彼は言う。「しかし、このテクノロジーを使い、我々の人生をより良いものにできればと本当に願っている。」

 


TV coverage of the Facebook Likes study - YouTube

 

 コンピューターが知能を持ち人間を超える日が近い、という話は、最近またよく目にするようになっています。それは、結局、知能とは何か、という定義の問題になると思うのですが、こうした研究結果を見ると、ますますその感を強くします。
 プライバシーの問題については、今後も時代が進むにつれて、我々の感覚も考え方も変わっていくのでしょう。しかし、微妙な問題であるだけに、スノーデンの暴露した国家の情報傍受システムのように、表に出ることなくステルス化して進んでいく可能性もあるわけです。この問題がそう簡単に解決されるとも思えませんが、技術の進歩は止まらないでしょうし、我々の感覚や考え方にも今後さらなる変化が求められていくことになるのでしょう。