ONEDOG:壁打翻訳手習帳

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ギャンブル依存症患者は何もないところにパターンが見えることが明らかに

「ギャンブラーは幻影でしかないパターンを認めて、人よりも衝動的に賭けをしやすい」という研究結果が明らかに

 

明らかになった研究結果によると、ギャンブラーは、まったくランダムな数列の中にありもしない法則を認める傾向があり、さらに、その誤った認識に基づいて賭けをしがちである。これは、ギャンブル依存症認知障害によることを示す数多くの研究に新たな一頁を加えるものである。

 

水曜日にスプリンガーのギャンブル研究ジャーナルに発表された論文によると、例えば、ルーレットの目が続けて5回黒なら、次は間違いなく赤の目が出ると考えるのが普通だといった具合に、人間は誰しも法則の幻影に捉えられる。しかし、衝動的なギャンブラーはこうした想像上のパターンを人よりも多く認め、その誤った認識の傾向に沿ってますます賭けをするようになるという点で、普通にギャンブルを楽しむ人とは異なっている。

 

「我々の研究結果は、ギャンブラーは、認識した幻影のパターンに基づいて、衝動的に賭けをしがちだということを示しています」と共同主著者のウルフガング・ガイスマイヤーは記者会見で述べた。

 

研究チームは、91人のギャンブル依存症患者と70人の正常者の賭博行動を研究室で比較した。被験者は2つのスロットマシンのビデオを見せられ、どちらが当たるか予想しなくてはならない。ここでミソは、一方は当たる確率が67%あるのに対して、もう一つは33%しかないようになっていることである。被験者にはこの確率の差は言葉では知らされていないが、論文によれば「フィードバックを通じて経験的に知ることができる」。

 

実験結果が示していたのは、正常者に比べて、ギャンブル依存症患者は「確率対応」、つまりそれまでの目に基づいて予想をすることが多いということだ。

 

ギャンブル依存症患者は、実際、ランダムな事象をランダムではないと受け止めることが非常に多いのです。それも、賭けるだけの価値がある程ランダムではないと受け止めがちなのです」と、ガイスマイヤーは述べた。

 

 

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ギャンブル依存症」というのは、本当に病気だとは思っていませんでしたが、こういう話を聞くと、病気と言えるかどうかはともかく、脳の認知能力の部分ではなにか異常と言ってよいほどのものがあるのではないかという気がしてきます。競馬のような馬や騎手の技量が反映されるレースや、ポーカーのように心理的な要素があるゲームであれば、賭けに熱中するのも分かるのですが、スロットマシーンやルーレットのような確率だけのギャンブルにハマるというのは、やっぱり脳の構造的な問題が絡んでいても不思議ではなさそうです。