ONEDOG:壁打翻訳手習帳

手習い故、至らぬところは御容赦。更新は、Twitterアカウント @0ned0g でお知らせします。

スイスチーズの穴が出来る理由が明らかに

f:id:onedog:20150530064058j:plain

世界中のサンドイッチ好きは、スイスチーズの大きな謎が科学者により解明された年として2015年を永遠に記憶することだろう。

 

1世紀近くに及ぶ研究の末、(当然)スイスの科学者が遂にスイスチーズに穴ができる理由を発見した。その理由は、腹を空かせたネズミとは何も関係がない。製造過程で牛乳に混じった干し草の粉こそが、スイスチーズの独特な見た目を生み出していたのだと、スイス国立農業研究所の専門家が明らかにした。

 

1917年に、アメリカ人科学者ウィリアム・クラークが始めてスイスチーズの穴の由来を体系的に研究し、詳細な論文を発表した。彼は、牛乳中の微小なバクテリアが出す二酸化炭素が原因だと結論した。しかし、クラークは気泡形成のメカニズムを正確に説明することが出来ず、彼が記念碑的な論文を発表した後、数多くの世界中の研究者がスイスチーズの穴が出来る理由を突き止めようとしてきた。

 

だが、木曜日に発表された報告によれば、スイスの専門家はこのやっかいな科学的問題を解決したと確信している。このスイスの科学者たちは、スイスチーズが130日かけて出来上がるまでの間、チーズのマルチスライスCTスキャンをとり続けて、穴が形成される場所と過程を追跡した。チーズを作るために牛乳に加える干し草の微粒子の数を変えることで、出来上がる穴の数をコントロールできることも彼らは発見した。

 

彼らの発見によって、過去10年から15年間に渡り、店頭に並ぶスイスチーズにある穴の数が減り続けている理由も説明がついた。今日では、牛乳は近代的な搾乳機によって濾過されており、家畜小屋の空気に晒されることはないので、干し草の粉が牛乳に紛れ込んでチーズに穴が発生することはなくなってしまったのだ。「伝統的な搾乳バケツが使われなくなってしまったということだ」と、スイスの研究者は述べている。

 

このスイス研究者の干草微粒子由来説がどれだけ持つものか、様子を見ておく方が良いかもしれない。何故なら、他の研究者はすでにこの理論の穴を探し始めているからだ。

 

f:id:onedog:20150530064112j:plain

 

チーズの穴を調べるためにCTスキャンをとるというのは、随分大げさな話にも思えますが、農学系の研究は大体そんなものなんですよね。面白がって茶化しが入った記事ですが、スイスチーズの独特の外観というのも一つのブランドイメージなので、それが年々減っているとしたら、確かにチーズ製造業者にとっては大事なので、一生懸命研究する価値はあるわけです。きっと、消毒した干草の粉を混ぜて穴を作ろうとするんでしょう。その穴によって、味や食感が変わるかもしれないですし、こういうのも大切な研究かもしれません。