ONEDOG:壁打翻訳手習帳

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色盲の人だけが分かるコカコーラの広告

石原画像は色盲以外の人にとっては解読困難

 

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あなたは、この画像のドットをつなぎ合わせることができるだろうか?


広告会社エッセンシウスは、先頃デンマークで、ステビアとサトウキビから作った甘味料を用いたコカコーラ・ライフを売り込むためのティザー広告キャンペーンを開始した。しかし、たった約5%の人しか、実際に広告のメッセージを見ることができない。


というのも、この広告のコピーは、大半の人にとっては緑と茶色の水玉模様のように見える画像に「隠されている」からだ(これは専門的には、逆石原表と呼ばれる)。しかし、色盲の人々はこのデザインの中にある「Life」という文字を見ることができる。

 

「我々のアイディアは、ごく一部の人をターゲットにすることで、多くの人の注意を引きつけることができるという前提に基づいています」とエッセンシウスの経営パートナー、ブライアン・オルランドは説明する。「人々を驚かせ、キャンペーンの隠されたメッセージについて興味を持たせることで、エンゲージメント率を非常に高めることができました」


デジタル広告、ソーシャルメディア、屋外のインスタレーションやデパートでのサンプル試飲に、この画像は使われた。この広告会社によると、この珍しいアプローチをとることで、メディアの関心を引き起こし、10歳から60歳までのデンマーク人の17%以上にこの広告を見せることができた。

 

でたらめなようにも見えるが(一体、何故色盲の人をキャンペーンのターゲットにするのか?)、この方法は、広告における社会的な包括性を目指そうとする一般的なトレンドに、確かに沿ったものである。また、このブランドが数ヶ月前に「例のドレス」の色について示した偏執ぶりを思い返させるものだ(注:Coca-Colaのツイッターアカウントは、「あのドレスが赤と白だったら良かったのに」とツイートしている)。

 

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ここで言えるのは、マーケッターは慎重に事を進めるべきだということだ。こうしたキャンペーンは搾取的で攻撃的なものであると解釈する人たちもいるだろうし、商業的利益のために特定の人々のユニークさや視覚能力をだしに使おうとしたと取られるかもしれない。


デンマークでコカコーラは運が良かったのか、論争が起こることはなかった。

 

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 微妙な問題がある話ですが、最近はこういう問題に対して息苦しいくらいの自主規制や社会的風潮があります。まあ、こうしたことにあまり目くじら立てない方が住みやすい世の中になるのではと思います。

 色盲検査の表は、日本の石原博士の作った表が世界中で広く使われているそうですが、始めて知りました。